![「音を聴く」ということ](./images/01tablesub.gif)
「音」って結局何なんだろう?
「音」の正体とは何でしょうか?
例えば、コンサートなどで大きな音を聴いた時、
身体が細かく震えるような感じがしたことはないでしょうか。
あれは、音がその場の空気を激しく震わせたために感じられる現象です。
そう、音とは空気の振動なのです。
音を聴くポイントは「カタツムリ」
それでは、音を感じるしくみとはどういったものでしょう。
音を出すと、まず空気が振動します。その振動は耳の中に伝わり、
鼓膜を震わせ、やがて耳の奥にある蝸牛という部分へと伝わります。
この蝸牛から、音の情報が脳へと伝わってゆくのです。
(ちなみに、蝸牛とはカタツムリのこと。図1をごらんください。
カタツムリにそっくりな形をしているでしょう?)
つまり、耳で空気の振動(=音)を受け取ることにより、
人は音を聴いています。ところが、耳以外からも音を聴くことができる方法があることを、
ご存じでしょうか。
![あの大作曲家も知っていた](./images/01tablesub02.gif)
実は難聴だったベートーベン
「運命」「第九」などの名曲で、現在もたくさんの人々に愛されている大作曲家、ベートーベン。
実は晩年のベートーベンは、聴覚障害に悩まされていました。
しかし彼は、そんな状態でも作曲を続けたと言われています。もちろん音を聴きながら。
一体どういう方法を用いたのでしょうか。
聴覚障害のベートーベンが音を聴く方法。
それは何と「タクト(指揮棒)を口にくわえる」ことでした。
タクトを口にくわえ、その先をピアノに押し付けたのです。
![タクトをくわえ音を聴くベートーベン](./images/01tableimg02.jpg)
骨が伝える音
ピアノからは大きな音がでていますから、ピアノ自体も震えています。
そのピアノの振動はタクトへと伝わり、タクトの振動は歯に伝わり、歯から頭蓋骨、
そして蝸牛へと伝わっていくのです。こうしてベートーベンは音を聴いていたというわけです。
このエピソードから分かることは「音は骨でも聴ける」ということ。
鼓膜の振動だけではなく、頭蓋骨の振動によっても、
蝸牛へ音を伝えることは可能です。
そして、このことを利用した技術が「骨伝導」なのです。
![「骨で音を聴く」とはどういうこと?](./images/01tablesub03.gif)
気導音・骨導音
通常、「音を聴く」とは耳が空気の振動をとらえることです。
このように空気を振動させて伝わる音のことを「気導音」と呼びます。
これに対して、ベートーベンが利用していたような音、
すなわち骨を振動させて伝わる音のことを「骨導音」と呼びます。
骨導音はいつも聴こえている!
骨導音を確認するのは簡単。耳をふさいで声を出してみてください。
耳から音が聴こえるはずがないのに、自分の声が聞こえるはずです。
それが骨導音です。自分の声が頭蓋骨を震わせ、
その振動が蝸牛に伝わって音が聴こえているのです。
「自分の声」が二つあるワケ
テープやMD、映像などに記録された「自分の声」が、
普段感じている自分の声と違っているという経験はないでしょうか。
テープなどに記録される声は、実は気導音だけ。
これに対して、普段自分で聴く自分の声は、気導音と骨導音が混じったものです。
かたや気導音、かたや気導音+骨導音。だから違った音として聴こえるのです。
「自分の声」が二つあるワケ
骨伝導とは、骨導音を聴く技術です。こめかみの部分などに装置を装着し、
その装置が骨に振動を伝えることで、音を聴くことができます。
その音は自分だけに聴こえるのが特徴。また、耳で聴く音とは全く別の音なので、
「耳栓をしながら聴く」ことや、「同時に耳から入る音も聴く」ことが可能!
現在では研究も進み、ヘッドホンや補聴器など、
さまざまな装置に骨伝導技術が利用されるようになっています。
![骨伝導の安全性](./images/01tablesub04.gif)
骨伝導の安全性を心配する声をよくいただきますが、
骨伝導が人体に害を与えることは全くありません。
頭蓋骨に振動を伝えることから、骨や脳に悪い影響を与えるという話も、全くの俗説です。
骨導音は自分の声を出すたびに発生している自然な音。特別なものではないからです。
電磁波についても問題はありません。ほかの電気製品と同じように電磁波は発生していますが、
ごく微弱なもの。自然界に存在する電磁波と同レベルの強さです。
安心して骨伝導製品をご使用ください。
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